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知見 康弘; 佐藤 賢二*; 笠原 茂樹; 梅原 隆司*; 塙 悟史
Proceedings of Contribution of Materials Investigations and Operating Experience to Light Water NPPs' Safety, Performance and Reliability (FONTEVRAUD-9) (Internet), 10 Pages, 2018/09
一次系冷却水中での応力腐食割れ(PWSCC)進展挙動への亜鉛注入の影響を調べるため、加圧水型軽水炉(PWR)一次系水模擬環境での10%冷間加工600合金の亀裂進展試験を、320C、低濃度(510ppb)の亜鉛注入、溶存水素濃度(DH)5, 30、及び50cc/kgHOの条件下で実施した。その結果、亀裂進展速度のDH依存性が亜鉛注入なしの試験データに基づく亀裂進展速度の予測値と同様の傾向を示し、実機環境を模擬した低濃度亜鉛注入が亀裂進展挙動に及ぼす影響はほとんど見られなかった。そこで、亀裂進展試験後の試験片の亀裂内及び表面に生成した酸化皮膜の微細組織分析を実施したところ、試験片表面の酸化皮膜からは亜鉛が検出されたが、亀裂内に生成した酸化皮膜からは亜鉛が検出されなかった。このことから、亀裂先端部の酸化皮膜への亜鉛の取り込みがないことが亀裂進展挙動への亜鉛注入の影響が見られない原因であることがわかった。
加藤 章一; 小山 祐司*; 吉田 英一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-011, 33 Pages, 1999/03
平成10年3月3日に「もんじゅ」ナトリウム・水反応生成物収納設備のAループ過熱器用圧力開放板に損傷が確認された。このため、損傷の原因調査の一環として低温クリープおよび応力腐食割れ試験を行った。その結果,(1)低温クリープが破損原因である可能性は小さい。(2)損傷はガラスビーズに吸着した水分とNa蒸気との反応で生成したNaOH環境下での応力腐食割れが原因と考えられる。(3)損傷部には比較的多くのガラスビーズが残存しており,また圧力開放板とバキューム・サポートとの間隙が他の部分と比較して狭く,相当時間Na蒸気に曝されていなかったという複数の偶然が重なったため,応力腐食割れによる完全粒界割れが生じたものと考えられる。損傷部以外の部位については,多量のNa蒸気により無害なNa2Oに化学変化したことなどが応力腐食割れを引き起こさなかった一因として考えられる。ということが明らかになった。
知見 康弘; 佐藤 賢二*; 笠原 茂樹; 梅原 隆司*; 端 邦樹; 塙 悟史; 西山 裕孝
no journal, ,
一次系冷却水中での応力腐食割れ(PWSCC)進展挙動への亜鉛注入の影響を調べるため、加圧水型軽水炉(PWR)一次系水模擬環境での10%冷間加工600合金の亀裂進展試験を、320C及び360C、亜鉛注入の有無、溶存水素濃度(DH)5, 30、及び50cc/kgHOの条件下で実施した。360Cでの亀裂進展試験の結果、亜鉛注入が亀裂内の酸化と亀裂進展速度を抑制することが示唆された。また亜鉛注入した320Cでの亀裂進展試験では、亀裂進展速度のDH依存性が亜鉛注入なしの試験データに基づく亀裂進展速度の予測値と同様の傾向を示し、320Cでの亀裂進展速度のDH依存性に対する明確な亜鉛注入の影響は見られなかった。